鉄骨豆知識 


 鉄・鉄骨に関して   鉄骨造、建物に関して
1 鉄骨住宅などは、軽量鉄骨と重量鉄骨があります。その大きな差は鉄の厚みです。軽量鉄骨は一般の鉄(H鋼)に比べ1/3〜1/4の重量です。強度に関しては、用途に応じて使用されているため比較は難しいです。重量鉄骨は軽量鉄骨に比べると高い建物にも対応出来る利点があります。


2 市場に出た鉄は、平均して90%以上が老廃スクラップとなって回収されます。国内の鉄資源消費の約4割が鉄スクラップによってまかなわれています。

鉄スクラップは、主に電気炉で溶かされて再び新しい鉄へ生まれ変わります。

鉄の分別、溶解は他の素材に比べて簡単に行えるため非常にリサイクルに適した素材であり、資源の有効活用に適した建物です。



3 鉄のサビには湿食と乾食の2種類が有ります。一般的に鉄がサビるということは常温で水と酸素にふれることで起こる現象が湿食です。サビを防止するために防錆塗装や、その他いろいろな方法により対処しております。

よく街中で建築中のビルの鉄骨がムキ出しになって錆びていますがこれは、鉄の表面の黒皮を取り錆びることによってコンクリートとの密着をはかっています。



4 鋼は、コンクリートや木、プラスチックと違って素材自体は劣化することはないので、腐食さえ防げば半永久的に使用することができます。一般的な重量鉄骨造のビル建築では、鉄骨は仕上材で覆われ、板厚も厚いので、錆が問題になることはほとんど有りません。一方、外気にさらされる用途には、各種の優れた防錆技術が適用されています。また、安定錆層の形成により腐食の進行を止める耐候性鋼や、亜鉛めっきの数倍の耐久性をもつアルミー亜鉛合金めっき鋼板等が開発され、メンテナンスフリーで長期の耐久性を確保しています。

建物の長寿命化を実現する手法の一つとして、SIという考え方が注目されています。これは、100年以上長持ちする骨組部分(S:サポート)と10〜30年で変更する内装や個別設備部分(I:インフィル)と明確に分離することにより、構造体本来の寿命を延ばそうとする考え方です。近年、このサポート部分に鋼を使ったSI住宅も検討されています。



5 鉄骨造は、地震時の入力エネルギーを塑性変形により吸収することができ、大地震時でも脆性的な破壊や崩壊を免れ、人命の安全を確保することができる耐震性の高い構造です。またブレースや制振部材(ダンパー)を適切に配置することで更に耐震性を高めることもできます。


6 建築物の解体によって発生した鉄スクラップは有価物として取引され、再び再生資源として活用されることで、鉄のリサイクルが産業として成立している。また部材レベルで分解・再組立により繰り返し利用すること(リユース)を前提とした開発も進められています。

市場に出た鉄は、平均して90%以上が老廃スクラップとなって回収されています。国内の鉄資源消費の約4割にあたる4,000万トン以上が鉄スクラップによって賄われています。鉄の分別・溶解は他の素材に比べて簡単に行えることから、非常にリサイクルに適した素材と言えます。

素材の製造から建物の解体までの建築のライフサイクルにおいて「建物の長寿命化」、「素材のリサイクル」、「部材のリユース」を積極的に推し進めることで、限りある資源の有効活用を考えています。